議論を避ける

数年前の自分と比較して、変化した行動は、『議論を避ける』ようになったことです。ただし、評価に関わる場合や意見の集約時には必要です。しかし、相手の知識や考えを貪欲にに吸収するためには議論を避け、聞くことに専念すべきです。その際に必要な技能は、反論する力ではなく、より深い的確な情報を引き出すための質問する技能です。

以下の日記は上記で簡潔にまとめてある、議論を避け的確な質問のみをし、聞くことに専念せよ、という考えについての先人たちの意見をまとめたものです。したがいまして、議論を避ける姿勢に同意する方は読む必要はありません。やはり、議論はすべきだと考える方は読んでみてください。

デール・カーネギーは、彼の著書『人を動かす』の中で、議論を避けると、説いています。
人を動かす 新装版
要約すると、議論をして反論をぶつけたり、間違いを正すことは避け、反感を与え思考を鈍らせることはしない。その上で、的確な質問をすることで相手に考えさせ、相手はより洗練した考えを持つことができるようになる、ということです。実例を挙げると、阿倍さんの叔父の岸信介首相はこのタイプでした。議論を避け、言いたいことを全部いわせる、その上で最後に質問と簡単な指摘をする方だったようです。

次に、松下幸之助さんの話を書きます。幸之助さんが、新幹線に乗った際に、彼を見つけた青年実業家が話しかけてきたそうです。青年実業家は延々と自分の事業のすばらしさを語り、幸之助さんに賛同してもらって喜んで新幹線を降りていったそうです。そのとき幸之助さんは『もったいない』といいました。なぜなら青年実業家は、自分の事業に賛同してもらうことに力を注ぎ、質問する機会を逃してしまったからです。こういった考え方は、ユダヤ人の教訓集にもあり、ユダヤ人は『自分より賢い人の前では黙る』ことを行動の指針としています。目的は、自分より賢い人がいたら、自分の考えを聞いてもらうより、相手の考えを聞くことに専念するです。



しかし、周りを説き伏せ、反論を論破し意見を統一していく上では、議論をする力は必要です。というわけで意識の変化の段階としては

議論に不参加な状態
⇒議論に参加 (この段階で、上記の能力を身につける)
⇒議論を避ける だと思います。