■

矯正歯科の後に、予防歯科に寄る。すると、T先生がこんなことを言っていました。
T「先日、理学部の3年生が来たのですけれど、診断した結果、私の治療方針と、他の全員の治療方針が違っていました。私には、どうして、歯を削って、メタルを付ける必要があるのかが理解できないのです。」

ここで、私がT先生の立場だったらどのように周りを説得するかを考えて見ます。
この場合、論拠とする事実は、海外では同程度進行状態の虫歯について、フッ素強化による歯の再石灰化により、完治しているという、事実です。

恐らくT先生は、上記のように主張したはずです。そして、予想される反論は、同程度進行状態の虫歯が、さらに悪化した例もあります。何らかの定量的なデータを使って、完治すると断言できますか？

問題は、ここです。歯の再石灰化の状態を定量的に測定することは、大学病院ではほぼ無理。

その一方、歯を削って銀場にする治療の場合は完治がほぼ保証できます。中間管理職にある人は、同様の効果(この場合、歯の完治)が見込める場合、揉め事が起こる可能性がある施策より、実行の確実性が見込める、施策を選びます。故に、後者の治療を選ぶわけです。

ということを考えていたら、先日忘れていたことを思い出しました。よかったよかった。