オズの魔法使い

研究室に行くと、オズの魔法使い不思議の国のアリスに関して激しく対立していました。対立の原因はドロシー(オズの魔法使い)とアリス(不思議の国のアリス)は「同一人物だ」「いや別人だ」というものです。なぜか研究室を二分する対立の構図が出来上がりました。(変なところで対立する研究室です)


オズの魔法使いは意義深い寓話です。ちょっと内容を紹介します。


竜巻に飛ばされて不思議の国に来たドロシーは魔法使いに「願いをかなえてもらい」自宅に帰ろうと画策します。途中、カカシ、ライオン、ブリキが仲間になります。魔法使いのお城につき、一人ずつ部屋に入り願いを言います。


カカシが部屋に入り、妖精のような魔法使いに願いごとをしました。
「私に考えることができる立派な頭脳をください」
魔法使い「無理です」


ライオンが部屋に入り、大魔神のような魔法使いに願い事をしました。
「臆病な私に勇気をください」
魔法使い「いやです」


ブリキが部屋に入り、火の玉のような魔法使いに願い事をしました。
「私には感情がありません、感情が宿る心臓をください」
魔法使い「ゃ」


ドロシーが部屋に入り、魔法使いのような魔法使いに願い事をしました。
「私をおうちに帰してください」
魔法使い「絶対無理」


という具合で、全員願い事を断られ、「ウンザリ」します。その後、何とか願いごとをかなえてもらい、ドロシーは家に帰ります。



どうでしたか、非常にいい話ですよね。


この話から少なくとも三つの教訓が得られます。

一つ目が、「何かができることより」「実際に何かを行う」ほうが大切ということです。なぜ、ドロシーは自分を魔法使いにしてくださいとは願わずに、家に帰してくださいといったのか。それは、魔法が使えるようになることより、実際に家に帰れることのほうが重要だという考えからだと思います。


この点については、下記の本に詳しく書いてあります。

経営は「実行」―明日から結果を出すための鉄則

経営は「実行」―明日から結果を出すための鉄則


二つ目の教訓は、「人は潜在的に能力を持っている」ということです。魔法使いが、カカシ、ライオン、ブリキの願いを叶えなかったのは、既に持っていたからです。つまり、カカシは自分で考え判断しここまで来ました、即ち頭脳です。ライオンはアリスを魔物から守りここまで来ました、即ち勇気です。ブリキには仲間を思いやる気持ち、即ち熱い心が潜在的に備わっていたということです。


三つ目の教訓は、「人を判断するには相手の立場を理解しなくてはならない」ということです。願いを叶えにいった全員が違った魔法使いを見たように感じたのは、相手の立場を理解していなかったからです。もし、相手の立場を理解していれば、ウンザリせずに本質的には同様な判断をしたと思います。