日米半導体交渉

こんにちはー。

 この間の集中講義で、日米半導体交渉の交渉当事者に質問する機会がありました。かなりびっくりしたのですが、結論を書くと


アメリカは恐ろしい国です」と言うことです。何故、そう考えるかのまえに、全体的な経緯を書きます。

 1950〜1970年代 アメリカの半導体メーカーが世界市場を独占
 1980年代 日本の半導体メーカーが世界市場を独占
 このへんです⇒日米半導体交渉
交渉の結果、日本の半導体市場は閉鎖的として、アメリカメーカーから半導体を一定量(20%)購入する協定を結ぶことになった。


 半導体メーカー側の不満を耳にすることは多いのですが、省庁側の本音は耳にしたことが無かったので、良い機会でした。


 判断までの経緯を詳しく書く前に、高校時代のことを思い出したので、メモして置きます。

後ろに座ってた人

 こんな記事がありました。
まとめると、「医者の父が長男にスパルタ教育を行い、反動で放火、残念な結果に」となります。
http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/jiken/news/20060701k0000m040173000c.html


 この内容は、高校時代に私の後ろの席に座っていた人の話に非常に近いです。その人は、父が厳格で東大か国立医学部以外は行かせないと言われてると言ってました。また、竹刀で殴ってくる上に、ゲームや漫画も禁止されたそうです。さて、非常に記事の内容と似ていますが、重大に異なる点があります。それは、本人の意思です。後ろの席の人は、本人も医者になりたかったので、結局、国立医学部にいきました。その人の兄も同様の指導を受け、国立医学部に行っております。ふむ。


 上記で、重要視した「本人の意思」は、「本人の意思にも関わらず、外部から、ある程度制御できます」。なぜなら、本人の意思は、意思決定者の知識、経験、組織環境から影響を受けて決定されるからです。つまり、知識や、経験や、情報が得られる環境を制御すれば、本人の意思決定をある程度制御できます。
この意思決定の制御を国家レベルで行っている国が北朝鮮です(戦時中の日本も該当)。北朝鮮が最も豊かな国です、アメリカは変態です、と教育を受け、それ以外の情報を得られなければ、亡命や脱北をしようと考えることは稀でしょう。実際に亡命した人の多くは何らかの方法で外部に触れる機会があった人がほとんどです。

 (*´ω`)< 長くなるので、終わりにします。要は、自由に情報を仕入れ、知識や経験を身につけ意思決定することが大切ですね。というわけです。

アメリカッてオソロシイ

 始めの、半導体の話に戻ります。話を短くまとめるのが難しいですが、下のようになります。あと、話し手は非常に怒ってました。。。

 当時の日米貿易で、各種の分野で摩擦がありました。アメリカとしては、半導体は軍事分野に直結するので、強固な姿勢を取りました。当時の通産省も粘り強く交渉しました。折り合いがつかないとき、アメリカが罠をしかけました。アメリカ商社が、この値段なら購入しますと売り手が赤字になる値段を提示しました。日本の企業は、シェア獲得、或いは新規顧客獲得を重視するので、赤字でも同意しました。その契約内容が交渉現場にだされ、これはダンピングなので報復しますとなりました。この時点で抜き差しならない状況にきました。中略。

 さて、アメリカの恐ろしいところは罠にかけることではなくて、別のことです。恐ろしいことは、軍事技術の二重構造です。


 彼の言葉を大雑把に書くと以下のようになります。
アメリカは恐ろしい国です」アメリカ側は私たちに半導体技術レベルを見せるために、モトローラ、テキサツインスツルメンツ、ルーセントテクノロジ等の企業を視察させました。その際には、親戚中の人がアメリカに敵意を持っていないか調べられ、何を見たのか具体的に言及することは禁止されました。そこで、国家機密の軍事技術を見ました。近年、日本で出てきている技術を、当時既に開発していました。要は、軍事技術に関わる技術では、市場に出てくる技術は二軍なんです、一軍は国家機密で出てこない。これを見て、アメリカは恐ろしいと思った。

 んーむ、ちょっと、映画のような話で信憑性に疑いをもつわけですが、んー。この話をした人は、産業技術総合研究所の理事もやっていた方なので、技術レベルは判断できそうな気がします。また、当時の時代背景を考えると、真実っぽいですね。実は、冷戦中はソ連圏は技術を公表していなかったので、ソ連圏のほうが進んでいた科学技術もありました。アメリカの西側は科学技術を論文発表していたはずなんですが、アメリカは大事なところは黙っていたという落ちです。ほうほう。何だ、普通ですね。ミ(/._.)/